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顎関節症 : Temporo Mandibular Disorders(TMDs)

顎関節症とは?

〇〇と, 〇〇という呼び方があるのはご存知かと思います.

「がくかんせつショウなので,  まず病気ではありません.

ある特定のパターン症状のことを〇〇という呼ぶわけです.

 

顎関節症の代表的な症状は

「あごが痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)」

「口が開かない(開口障害)」

「あごを動かすと, 音がする(顎関節雑音)」

3つです.

そのため,  硬い食べ物が噛めない,  大きな食べ物が食べにくい.

また, あごの音が煩わしいなどの症状が現れることがあります.

さて, この3症状で歯科医院や口腔外科を受診した時,  この訴えを担当医に話すと

「これは顎関節症ですねぇ! 顎全体のレントゲン写真や CTを撮影してから, スプリント(マウスピース)を作り,  装着してみましょう.  痛みが強ければ痛み止めを出してみましょうか. 噛み合わせの具合がよくないので,  噛み合わせ調整のために歯を少し削ってみましょう, 噛み合わせ全体の治療や矯正治療も考えてみましょうか?」・・・・なんて事はよくある話ですよね.

ところで皆さん!

顎関節症には・・・

  • 咀嚼筋痛障害 myalgia of the masticatory muscle(Ⅰ型)
  • 顎関節痛障害 arthralgia of the temporomandibular joint(Ⅱ型)
  • 顎関節円板障害 temporomandibular joint disc derangement(Ⅲ型)
  • (a.復位性 with reduction  b.非復位性 without reduction )
  • 変形性顎関節症 osteoarthrosis/osteoarthritis of the temporomandibular joint(Ⅳ型)
  • この4つのタイプがある事!ご存知ですか?
  • そしてこれらのタイプがミックスされるケースもあります.

顎関節症のタイプをキチンと鑑別診断(振り分け)しないで,  いきなり治療(スプリント, 薬物治療, ましてや 噛み合わせ治療)をする事はしません.

 

顎関節症の最新知識

顎関節症は, かみ合わせが悪いことが原因ですか?

 直接は関係ありません!

  • 顎関節症の原因に関して,  以前はかみ合わせの異常が主な原因と言われていた時代もありましたがが,  現在は大きく変わっています.
  • 現在,顎関節症の原因は多因子性(たくさんの原因が複雑に絡み合っていること)で,  あくまでも多くの原因の一つとして,   かみ合わせの異常があるだけと考えられています.
  • 主な原因は噛み締め,  歯ぎしりなど,  顎に余計な力をかける無意識動作であると言われています.
  • 顎関節症の原因は, 単純に 歯ぎしり, くいしばり, 噛み合わせの異常だけでなく,
  • Bio(身体)
  • Psycho(心理, 精神)
  • Social(社会, 環境の様々な要因が影響する症状です.
  • 従って顎関節症の治療で,  最初にかみ合わせの治療をすることはありません. また  歯ぎしり食いしばり対策をしただけではちゃんと治りません.

    【AADR(国際歯科研究学会)によるTMD基本声明2010】

    正当化できる特定の証拠がない限り,  TMD治療の第一選択は保存的, 可逆的,  かつ証拠に基づく治療法が強く勧められる

    ⬇︎
  • 要するに,  ちゃんとした診断が定まらないうちに,  いきなりかみ合わせを削ったり, スプリント(マウスピース,  特にソフトタイプ),  補綴(被せ物)治療,  歯列矯正などの【元に戻せない治療!】をしてはいけないということです.

    これが・・・

    現在,  唯一国際的に認められているTMD治療指針です.

    そして治療のためには, やはり診断が第一です.  そして診断のために重要なことは, 歯科医師としての顎関節症の一般知識だけではありません.
  • 口腔顔面筋骨格系障害:Orofacial Musculoskeletal Disorders(OMD)と口腔顔面痛:OFP のなかに顎関節症: TMDが含まれているという知識のもとで行う必要がある』ということです.
  • 簡単に言うと, 口腔顔面痛と頭痛の知識なしに顎関節症, 特に慢性化した顎関節症の診断治療は難しいと言うことです!(日本の顎関節学会ではまだ「慢性」顎関節症の発症や治療についての議論はあまりなされていません)
  • 顎関節症のタイプをキチンと鑑別診断(振り分け)しないで,  いきなり治療(スプリント, 薬物治療, ましてや 噛み合わせ治療)をする事はしません.

当院では, このような症状に関して先ず診査診断をしていきます. 

1. 顎の痛み専用の問診票への記入

https://d.dentis-cloud.com/patient/eZ5XFv/f/a9e35a5b-d2d1-4756-a794-c09ea9267ffa

2. DC /TMD(国際基準の顎関節症スクリーニング検査), または慶應式顎関節症検査

3. 顎関節症のタイプ診断

4. 診断結果と治療方針の説明

 

 

 

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