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フッ化物塗布について

当院では, 虫歯予防の一環としてフッ化物塗布を行っております.

虫歯の原因菌が出す酸などによって, 歯の表面にあるエナメル質のカルシウムやリンが溶けてしまいます.通常は, 唾液が溶けてしまったエナメル質を元に戻す働き(再石灰化)をします.

この再石灰化を促進させるのがフッ化物塗布になります. 再石灰化が促進されることで. 虫歯になりにくい歯を作ることができます.

フッ化物塗布は定期的に行っていただくことをお勧めしていますが, フッ化物入りの歯磨き剤や, フッ化物入りのうがい薬等を合わせて日常的にご使用いただくことで, より虫歯になりにくい歯を作ることができます.

当院では,より効果の期待できる歯磨き剤などもご紹介しています.

⚠️フッ化物塗布が健康保険適応になる方は,  初診から継続経過観察している多数歯のむし歯を持つ16歳未満の患者様のみです!

 

 

フッ化物に関する知っておいて欲しいこと

 

まず, 世の中の【科学に共通した大前提】を知っていただきたいと思います.

 

世界では, 医学を含めた【科学】で分かっている事の方がまだまだ少ないのです.

 

もちろん研究者の知恵によって, これからも日々新しい発見があるかもしれません.

 

でも『新しいことは自分たちのアタマの中にない』コトから始まるので,

 

これからの事は分からないという【素直な姿勢】で, 賛成の方も反対の方も臨む事が大切です.

 

薬を使う際,  理解するために大事な事!

<有効で安全>の両方を100%満たす薬は存在しません.

あるのは[有効性 /リスク]のバランスが利用者や社会に受け入れ可能な薬があるだけです.

 

 

ココからはフッ化物に関して今の段階で知っているコトを書きます.

 

フッ素を使った化合物(混ぜ物)→フッ化物(コトバの理解としてフッ素という単独の元素では考えない方がよい!というかフッ素という元素単独では地球上にまず存在出来ません

 

なのでフッ素→猛毒→危険という図式はゼロではないものの, 一般人の日常生活においては, ほぼ考えなくてよいと考えてください.

少なくとも過敏になる必要はありません.

 

【例】塩(塩化ナトリウム NaCl):ナトリウムと塩素で出来たもの. 塩素がカラダに多量に入れば毒.

塩だっていっぺんに多量に摂れば死に至る事もあります.

(致死量:塩300g/日, 水10〜30l/日, 砂糖1kg/日)

中にはフッ素はサリン(C4H10FO2P)の原料にひとつだから危険性があると大まじめで言う方も居ます.

中毒量に関して

フッ化物で軽い症状 (吐き気や下痢) を起こす可能性のある量は体重1kg当たり2mgです.

フッ化物洗口(うがい)の場合:体重15kgの子どもなら, 問題の起こる量は30mgなので, 週5回法 (250ppm, 1回量5ml) では20人分 (100ml) 以上, 週1回法 (900ppm, 1回量5ml) では6人分 (33ml) 以上を一度に飲まない限り, 胃腸症状がでる心配はありません. (間違って飲み込んでしまった.というメンタルによる症状とは, 分けて考える必要がありますね)

また, 病院で経過観察を必要とする急性中毒量は体重1kg当たり5mgですので, 体重15kgの子どもなら75mgとなり, 週5回法 (250ppm, 1回量5ml) では60人分 (300ml) 以上, 週1回法 (900ppm, 1回量5ml) では16人分 (83ml) 以上を一度に飲まない限り, 病院で経過観察する必要はありません.

「ちょっとむずかしい話」

フッ化物のフッ素はもし飲み込んだ後は30分程度で徐々に吸収されて腎臓で排出されます.
排出される途中の血中フッ素は重量比1:1で, カルシウムイオンと結合すれば, 安定なフッ化カルシウムになりイオンでなくなります.

骨のカルシウムと結合すればその後の骨の改造現象の際に骨から遊離します.


つまりフッ素として4mg飲ませれば腎で排出されないと仮定しても最大4mgのカルシウムイオンとしか結合しません.

血液4L中のカルシウム400mgのうちカルシウムイオンは約半分. カルシウムイオンの33%減少など理論的にありえません.
33%減少するのは70mgのフッ素と結合しないといけないからです.


人間の恒常性でカルシウムが不足すると副甲状腺ホルモンPTHが分泌されてカルシウム濃度が上がりますし,  4時間もあればかなりのフッ素は排出されます.


つまり反対する方達の実験では, 何らかのトリックがあると考えるのが妥当かなと思います.

アレルギーに関して

純粋なアレルギーではないとしても,アレルギー様症状(過敏症状)が生じうるという指摘は,可能性があるという意味で,医学の一般論として念頭に置くべきことだとは思います. しかし,今までの長年の広範囲な体験上,フッ化物そのものにはアレルギー様症状発症の事例が確認されていないことは,より重要な情報といえると思います.

すなわち,実はリスクの蓋然性が極めて低いのがいまのところ事実であり, また日常的に人々が親しんでいる緑茶,紅茶,また海産物に比較的多くのフッ化物が含まれており,これらによってアレルギー様症状を発症したとの事例が無いことも重要な情報とも思います.

また,92 の天然元素の中で 13 番目に多く人体に存在し,血液中に恒常的に存在する元素,フッ素がフッ化物イオンの形でアレルギーを引き起こす可能性は考えにくいと考えています.

>「WHOでは, 6歳未満はフッ化物洗口はしてはいけない」に関して

WHOのテクニカルリポートで
「学校でのフッ化物洗口はフッ素濃度が低く、虫歯が中等度~高度の地域で推奨される。
水道フッ素濃度が適正の場合は学校でのフッ素洗口は推奨しない.
洗口液が処方通りの量であれば飲んでもほとんど/全く無害である.
正しい洗口では, 最小限のフッ素が貯留して呑み込まれる.
就学前の子供が飲んでも斑状歯の原因にならないが, 他に毎日摂取するフッ素の合計量によれば斑状歯のリスクに寄与する可能性がある.
だから6歳未満の子供には推奨しない」

とあります.

つまり6歳未満は家庭によっては フッ化物錠、フッ化物キャンディーを使用する場合があるから, その事情を考慮しろというわけです.

日本にはフッ化物錠・キャンディーはないので関係ない条項です.


WHOは世界中でフッ素事情が異なるからそれを考慮して予防プログラムを組めということですね.

 

 

 

 歯のフッ素症(いわゆる斑状歯)に関して

 

日本でフッ化物を利用する方法は,いずれも利用後吐き出す局所応用の方法であり,用量・用法に従って

いる限り,問題となる歯のフッ素症が発現する危険性はありません. この危険性が無いと断定できる理由として,次の 2 点が指摘できます.

① 用量・用法に従った場合のフッ化物の飲み込み量が充分な安全域にあること

②外観上対象となる前歯は,洗口開始時の 4 歳児において,既に永久歯前歯の歯冠石灰化が完成していることから,歯のフッ素症が生ずる可能性はないと言えるでしょう.

一方,水道水フロリデーションなど全身応用の場合で,フッ化物利用と関連し一部に白い歯の者が増えることはありえます.

しかし,これは健康障害ではなく,審美的(外見上)観点の話題であり,軽度の白い歯の場合は外見上も問題はしなくてもいいかなと思います.

高濃度のフッ化物を含む水を歯の形成期に継続的に毎日飲用した場合,中程度あるいは重度の歯のフッ素症が発現し,茶褐色で外見上の問題となりますが, 日本では水道法でフッ化物濃度は 0.8mg/ℓ(0.8ppm)以下となっており,近年重度の歯のフッ素症発現の報告は知る限りありません.

 

 

長々と書き記してしまいましたが・・・

 

大切なのは, 巷の情報を鵜呑みにるるのではなく, 現時点での正しい知識と見解を身につけ, 

その上で思考と感情の両方をきちんと意識してから, 親御さんは決断すればいいのではないのでしょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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